先月行われたイベント(KAMPAI TO MEET)では、全国からたくさんの蔵元が集結。久しぶりのイベントということもあり沢山の方にご来場いただきました。「せっかくできたこの機会、より多くの方に蔵元の想いを伝えたい」と思ったオンライン店松丸、準備の合間を縫って計12の蔵元さんにインタビューをしてきました♪
これから2週間にわたり、火曜日と金曜日に3蔵ずつ日本酒・ワイン・焼酎の蔵元へのインタビューを更新して参ります。
● 福島県・会津酒造
今回お話を伺ったのは、代表取締役の渡部景大(けいた)さん。渡部さんは「造り」以外の現場を知るためにはせがわ酒店で働いたのち、実家に戻って蔵を継いだ若社長です。
まず初めに、「山の井」という銘柄の由来を教えてください。(松丸)
―― ”山の上にある蔵の井戸水を使って造ったお酒”なので「山の井」です。実は昔うちにあった銘柄で、それを復活させました。(渡部さん)
復活銘柄なんですね!ちなみに蔵のある場所は、一言で表すとどんな地域ですか?(松丸)
―― 四季がはっきりとしている豪雪地帯です。南会津は雪が2〜3m積もることもあって、冬の間は気温が氷点下に。-20度まで気温が下がる年もあります。もろみを温めないと発酵が止まってしまうほど寒い地域なんです。(渡部さん)
そんなに寒いなんてビックリです!山の井を飲んでいると、いつも柔らかい口当たりと優しい飲み口を感じます。どんな想いで造られているお酒なんでしょうか。(松丸)
―― コンセプトは「日常の生活に寄り添うお酒」。蔵のある“南会津”の地域を表現したいと思いながら造っています。口当たりの柔らかさは仕込み水にあって、超軟水の井戸水を使っていているので柔らかくきれいな味わいになっています。「山の井」を飲んで南会津の風土を感じ、興味を持ってもらえたら嬉しいです。(渡部さん)
ちなみに南会津のお料理でよく合うものはありますか?(松丸)
―― 例えば地元の料理だと「こづゆ」という薄味仕立ての伝統料理やイカ人参、ソースかつ丼などが有名なんですが、お酒自体はシンプルで素朴なお料理に合うように造っています。毎日のお料理に合わせて、気軽に楽しく飲んでいただけたらと思います。(渡部さん)
超軟水の仕込み水と、渡部さんの優しげな人柄を反映しているような「山の井」。しんしんと降り積もる雪景色を思い浮かべて、こたつで暖をとりながらゆっくりと味わいたくなりました。
今回イベントで出品していたのは、冬限定の「山の井 白 おりがらみ生」や食用米で醸した「純米大吟醸 朝日50」など。春にはおりがらみや純米の生酒も入荷予定ですのでぜひご期待ください!
● 茨城県・来福酒造
来福酒造からは、いつもはせがわ酒店の試飲販売を担当してくださっており「来福酒造の顔」ともいえる千葉さんと、その日ちょうどお手伝いに来ていた藤村社長の息子さんにお話を伺いました。
縁起の良い名前で人気の「来福」。そのイチ押しポイントを教えてください。(松丸)
―― なんといっても「来福」という名前で300年以上続いてきているので、やはりプレゼントにはピッタリだと思います。それに加えて来福は「日本酒の可能性を追求したい」という想いから、酵母や酒米違い、そして水の代わりにお酒で仕込んだ貴醸酒などいろいろなお酒にチャレンジをしています。皆さまにはぜひその違いを比べて楽しんでいただきたいです。(千葉さん)
藤村さんはいま大学生ということですが、ご自身の蔵の日本酒を飲んでみていかがですか?(松丸)
―― 酵母だったり、酒米や精米だったり、その小さな違いで味にも変化があるのが面白いと思います。「来福」という名前の通り、飲んだ方に福が来ますように…そういう方に届けばいいなと思っています。(藤村さん)
―― ここ数年で地元・茨城のお酒を応援したいと考える方も多くなっている実感があるので、やっぱりそういって飲んでもらえると嬉しいですね。(千葉さん)
美味しさにどんどん磨きがかかっている茨城の日本酒・来福!自社精米や花酵母を用いて日本酒を醸しており、その多彩なラインナップに日本酒好きの心をくすぐられます。蔵ではより良い酒質を追求するため、その年ごとに造りのマイナーチェンジも行っているとのこと。その進化はぜひ飲んで確かめてみてください。
春には季節感たっぷり!さくらの花酵母を使用した日本酒も入荷予定。毎年大人気の1本、お花見しながら来福を一口…という至福のひとときを味わってみてはいかがでしょうか。
\ ご予約受付START /
・【予約商品】2月18日以降 出荷予定 来福 純米生原酒 さくらの花酵母
● 群馬県・浅間酒造
浅間酒造からは、営業担当の塩野谷さんに「浅間山」で目指す酒質について聞いてみました。
―― 「浅間山」では、お酒単体で楽しむ”嗜好品”という面よりも、暮らしの中に当たり前に日本酒があるという文化をお伝えしたいと思っています。そのため今のニーズや雰囲気に合ったお酒を提案するべく、お食事と合わせやすいスッキリ感もあって、後味の余韻は長くないお酒を目指しています。(塩野谷さん)
ここ最近の「浅間山」では、口当たりのやさしさをよく感じています。そう言った部分も意識しているのでしょうか。(松丸)
―― そうですね。ただスッキリ感があっても薄くはなく、口に含んだ時にはインパクトがあって、最後にキレが出るように杜氏たちが意識して造っているのを感じます。特に群馬は海なし県で山の幸が豊富なので、「浅間山」は特に野菜と合わせるのがおすすめです。煮たり焼いたり、蒸したりした繊細な野菜料理にぜひ合わせてみてください。(塩野谷さん)
野菜に浅間山ですか!これはぜひ試してみます。最後に、日本酒ファンの皆様にお伝えしたいことはありますか?(松丸)
―― 浅間酒造は昨年、創業から150年のアニバーサリーイヤーを迎えました。車で10分の距離に群馬の観光名所・草津温泉があり、実際に見て・飲んで楽しめる地域です。今後「浅間山」をリブランドしていく中で、「草津といえばこれ」というものを生み出せればと思っています。浅間酒造は元々観光蔵でもあり、コロナ前は団体旅行の蔵見学などを行っていましたが、コロナ禍でお客様1人1人と向き合い会話する機会が増えました。4月には店舗のリニューアルオープンも控えているので、ぜひお近くにお立ち寄りの際にお越しいただければと思います。(塩野谷さん)
温泉に浸かった後、野菜料理と浅間山…考えただけでワクワクします。現在蔵見学は休止しているそうですが、代わりにYouTubeでバーチャル蔵見学ができるそうです。自宅で蔵見学をしながら野菜料理と浅間山。これからは一歩進んだ日本酒の楽しみ方ができそうです。
続きは来週火曜日に更新予定です。ぜひお楽しみに!
\ 2月7日公開!/