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「播州一献」山陽盃酒造の被害状況について

インターネット販売の池辺です。皆さまの中には既にご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、播州一献を製造する山陽盃酒造で11月8日に火事があり、酒蔵3000平方メールの内約1500平方メートルが消失しました。仕込み時期の蔵を襲った大変な事態ですが、現在蔵では復旧に向け動き始めています。

最初に杜氏の壺坂専務が煙の上がっているのを確認しましたが、なす術もなくあっという間に燃え広がったとのこと。燃えた築150年以上の歴史を持つ建物は県の景観形成重要建造物に指定されていました。そんな中で人的被害はなかったこと、火は蔵内で消火でき周辺の家には燃え移らなかったこと、そしてこれからの醸造に必要な設備に大きな影響がなかったのは不幸中の幸いだったとのことです。

 


代表の長谷川も蔵へ駆けつけ、お見舞いと状況の把握をさせていただきました。今期の仕込みが始まって間もない時期に起きた今回の火災、蔵では1本目の搾りを終えて2本目の上槽を目前に控えていましたが、搾ったばかりのお酒約2500Lと醪2本分を放水による浸水で失いました。


火災が発生した日、電気系統が使えなくなりました。麹室は無事だったので、真っ暗な状態になってしまった中でしたが麹の種切りを行ったそうです。壺坂専務を始め蔵人の方々は大変なショックを受けた事が察せられますが、諦めず酒造りを続けていることに逆に私たちが勇気づけられるようです。元気そうな壺坂専務の姿にほっとしました。


火災を免れた醸造設備を避難させる作業を行っています。これから復旧と仕込みを並行させて行っていかなければならず、その困難は計り知れません。

復旧作業でお忙しい中、壺坂専務からいただいたメッセージを皆さまにもお伝えさせていただきたいと思います。「11月8日に発生した火災により、弊社の約半分の面積が焼失致しました。酒造りが始まってさあこれからという時期の火災とあって、無念でなりません。しかしながら幸いな事に醸造設備は残りました。ここを底だと思い、そして播州一献を心待ちにしていただいているお客様の為に精一杯醸します。必ず復活します!どうぞ今後とも播州一献を宜しくお願いします。」

普通なら気落ちしてしまう状況の中にありながら、前向きに復旧に向きあえるのも、飲んでくれる人がいるから。そんな気持ちが真っ直ぐ伝わってくるメッセージだと感じました。また、冷蔵庫1台とその中の在庫を焼失したものの、出荷待ちをしていたお酒達の大部分は幸いにも無事であり、新酒の「純米生原酒」も11月10日に上槽できたとの事で、私たちも蔵の力となれるよう、全力で応援させていただきます。今後蔵からのお酒の入荷のタイミングは不安定となることが予想されますが、私たちの元へ届き次第、新着情報およびメールマガジンで随時お知らせをさせていただきます。皆さまへも、どうか播州一献への厚いご支援を賜りますようお願い申し上げます!

【追記:2019/3/8】
蔵元にとって予想もしなかった今回の火災。オンライン店をはじめ、はせがわ酒店をご利用の皆さまから、ご心配や暖かい励ましのお言葉をいただいております。蔵ではまだ復旧と並行して仕込をおこなっており、皆さまの応援が何よりの支えとなります。壺坂専務より皆さまに蔵の近況とメッセージを頂いたのでご紹介いたします。

『火災から4か月が過ぎますが、まだまだ火災部分の解体作業は続いております。しかし、蔵人一丸となり一人でも多くの方に【おいしい】と言っていただけるよう、魂を込めて誠心誠意お酒を醸しております。多くの方々にいただいたご恩を噛みしめ、それに対する《感謝》を合言葉に奮闘しています。どうぞ温かいお気持ちで弊蔵の復興を見守っていただければ幸いです。必ず復活します!どうぞ今後とも宜しくお願いいたします。』

 

【追記:2019/4/30】
甑倒しを目前に控えた中、壺坂専務に今期の造りで、特に大変だった事をお伺いすると、仕込工程の動線が失われてしまった事だったそうです。酒蔵にとって良い動線が確保されている事は、良いお酒を醸すのにとても大事な事です。動線が確保出来ていなければ労力でカバーするか、出来なければ作業がストップしてしまいます。今後、新たな動線確保が急務という事もあり、蔵の建て直しを検討しています。壺坂専務のお話では、現在もまだ解体作業は終わっておらず、母屋部分を手バラししている状況だそうです。解体は蔵の搬出入口のある南から順に北へ向かって作業を進めており、5月あたりから北詰に位置する、焼失した母屋部分の基礎工事に着工できるのではとの事。来シーズンは仕込と蔵の建設を並行して行う予定で、復旧までは早くても2年はかかる見込みだそうです。

ところで、今期の播州一献の味わいは火災による影響は感じられず、むしろ、少しずつ酒質が良くなってきた近年の流れのまま、今期のお酒もより美味しくなったように感じます。これについて壺坂専務は、火災があっても無くても、蔵では1年に1つ、大きな改善に取り組むようにしているからだと思います、と話して下さいました。例えば今期は、これまで一度に沢山の量を洗米していた仲添・留添に用いる掛け米も、少量ずつ洗米機(MJP)で洗うようにしたそうです。普段と異なる状況にあっても、酒質向上を諦めず酒造りに取り組んでいるというお話をお伺いできました。

今後とも皆さまの継続的なご支援の程宜しくお願いいたします。

 

山陽盃酒造
山陽盃酒造は天保8年創業。日本を代表する酒米産地にあり、蔵で醸し出される「播州一献」には「播州地域の良質の米・水・環境を使い地酒本来の持つ良さを大切に醸したお酒をどうぞ」との想いがこもっています。現在では杜氏の壺坂専務を中心に、味わい豊かな食中酒を醸し、多くの日本酒ファンに親しまれています。